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ワクチン接種後の肩関節障害

[2023.05.13]

新型コロナウイルスに対するワクチンを接種後に肩や腕が痛くなり、当院をご受診される患者さんがいらっしゃいます。「複合性局所疼痛症候群」と言って、実際に障害を受けた部位とは全く離れた部位、例えば「手」、も腫れて動かしにくくなってしまう重症例も散見されます。

ひとくくりに「ワクチン接種関連肩関節障害」と言っても、実は病態・原因はさまざまです。肩関節の可動域が大きく制限を受ける「肩関節周囲炎」を来しているケース、三角筋滑液包という肩周囲の筋肉の動きをなめらかにする構造に炎症を起こしているケース、腋窩神経や橈骨神経が障害を受けているケースなどがあります。

ワクチン接種との因果関係を証明することが難しいこともあり、診断がつかずに辛い思いをされてこられた方が本当に多いな、と実感します。当院では、丁寧に経過を確認して診察・検査を行い、場合によっては診断的に神経ブロックを行うことで痛みの原因を的確に診断するように努めています。

開院後、わずか1ヶ月ほどの間にも、腋窩神経の損傷を疑う患者様が複数いらっしゃいました。超音波ガイド下に腋窩神経ブロックを施行したところ症状が消失し、腋窩神経損傷による痛みと診断して、神経ブロックによる治療や内服薬による疼痛コントロールを開始したところです。このような末梢神経障害による疼痛には、パルス高周波法による加療が症状を緩和できる可能性があります。

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